たいへんお待たせいたしました。「バルト海の思い出」のつづきです。
添乗員の案内でフェリーの中に入った私達は、船内がまあまあの広さであるのと、ゲームセンターやバーなどがあるのを見て、さすがシリヤラインだと思いました。
客がすべて乗船し、フェリーはストックホルム港をあとにしました。客の多くはフィンランド人で、日本人は私達のツアー一行だけのようです。この船で感じた私のフィンランド人の印象は、とてもフレンドリーで明るいというものでした。
北欧4か国のなかでも、フィンランド人は顔に特徴があるので容易にわかります。その特徴というのは、丸っこい鼻です。元F1ドライバーのミカ・ハッキネンの鼻などはその代表的なものと言えるでしょう。私達日本人と通じるところがあるのでとても親しみを感じます。もちろん、フィンランド人すべてが丸っこい鼻というわけではありませんが。
さて、船内をひと通り案内された私達は、ようやく個室に入れることとなりました。「カツヲさんとAさん(私の友人)はこちらの部屋ですよ」と添乗員から案内されました。「ああ、やっと寝れるなァ」と思い、個室のドアを開けました。
「はぁ?なんじゃ、こりゃ!」
そうです、「狭っ!!」の一言だったのです。私の記憶が正しければ、2畳半くらいのスペースに2段ベッド、デスク、トイレ、シャワーなどがありました。なかでも驚愕したのは2段ベッドでした。幅が体と同じくらいしかなく、寝返りはまず不可能で、上段のベッドは柵も低く寝たらすぐ下に落ちそうな感じだったのです。
当然、下段のベッドのほうが安全そうです。どちらが下段で寝るか、ジャンケンで決めました。は、は、は、私が上段のベッドに決定。私はすぐさま上段に上がり、「どうやって安全に寝るか」を考えました。よく見ると、腰の位置あたりにシートベルトのようなベルトが付いていました。
「そうか、これで身体を固定するわけか!」。試しにこのベルトで固定して仰向けに寝てみると、かなり窮屈ではありますが、なんとか下に落ちずに一晩を過ごせそうだったのです。本当はこのベッドの写真を載せて、その強烈なタイト感を見ていただきたかったのですが、何せ「いかに落ちずに一晩を乗り切るか」に頭がいっぱいでしたので、写真は撮っていませんでした。
何か参考となる写真はないものかとネットを探しましたら、シリヤラインの個室のトイレ&シャワーの写真を見つけました。私の乗船したフェリーと異なるようですが、こんな感じでしたのでご覧ください。
私はあの超狭い個室を出て、デッキに出てみました。暗闇の中、かすかにアーキペラゴ(群島)が見えます。なんと神秘的なのでしょう。あまりの神秘的な光景に、私は1時間くらい一人デッキで夜の海をボーっと眺めていたのでした。 (おわり)
【写真の説明です】
上の写真はシリヤラインの「あざらしマーク」です。下の写真はシリヤラインの個室内のトイレ&シャワーです。私の泊まった個室のものとは同じというわけではありませんが、だいたいこんな感じです。シャワールーム?の狭さをご覧ください。
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