お寒うございます、カツヲです。今日は、今夏開催されるロンドンオリンピックのセーリング競技に関して書かせていただきます。
みなさんはセーリングという競技をご存知でしょうか?以前はヨットと呼ばれてきましたが、現在はセーリングという呼び名が主流となりました。ボードセーリング(ウインドサーフィン)もセーリングに含まれます。つまり、セーリングの中にヨットという競技があるという位置付けとなったわけです。
セール(帆)の表面を流れる風によって生ずる揚力を主な動力として、その技術や時間を競う競技をまとめて「セーリング」と言います。なんと私は大学1年のときに、三浦半島の荒崎にある一般のヨット(ディンギー)クラブに所属していました。
ヨットクラブというと、設備の整ったヨットハーバーに艇を停泊させているとお思いでしょうが、とんでもありません。約100mくらいの小さな浜辺から胸まで浸かって艇を出すのです。冬は冷たいなんてものじゃありません。もちろん、クラブハウスもおんぼろで、雨漏りは日常茶飯事でありました。
さて、ロンドンオリンピックのセーリングですが、種目の数は10種目(男子6種目、女子4種目)で、私が注目しているのは、女子470級の近藤愛・田畑和歌子 組です。
そうそう、470級とはどんな種目かをごく簡単に説明いたしましょう。まず470級の読み方ですが、「ヨンヒャクナナジュウキュウ」ではありません。「ヨンナナマルキュウ」と読みます。
日本470級協会の公式ウェブサイトでは、「470(ヨンナナマル)という名称は、艇体の全長が4.7mであることに由来したものです。1963年にフランスのアンドレ・コルヌ(André Cornu)によってデザインされた2人乗りのレーシング・ディンギーです。」と説明しています。ちなみに、ディンギーとはキャビン(船室)のない、風のみを動力とするヨットのことを言います。
【470級の仕様です。クリックしてご覧ください。】
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この470級は、2名の乗員(クルー&スキッパー)の適正合計体重が130kg前後とされ、小柄軽量である日本人向きの種目と言われています。ということで、現在日本国内で最も盛んなレーシング・ディンギーとなっています。国産の艇はヤマハ発動機製が主流のようです。
ディンギーは風向きに対してどのような方向に走るのが一番速いか存知でしょうか?風下に向かって180°?いいえ、違います。実は、風上に向かって45°に走るのが一番速いのです。45°以内の角度になると、ジブセールはバタバタとはためき、艇のスピードは減速してしまいます。(注:ジブセールとは艇の前方側にあるセールのこと。大きなセールはメインセールと呼びます。470級では3枚めのセール、スピンネーカーがあります→走り方によって収納したり出したりします。)
なぜ、風上に向かって走ることができるのか、それは揚力のおかげです。揚力の説明は省略しますが、この風上に向かって45°の走りを「クローズ・ホールド」と言います。風下に向かって180°の走りを「ランニング」と言います。
それでは、日本の女子470級の話に戻りましょう。前に述べた「近藤愛・田畑和歌子 組」(代表枠獲得をしていますが、まだ正式な代表決定ではありません:本日現在)ですが、私はズバリ銅メダル以上狙えると思っています。メダル獲得のあかつきには、マスコミの報道は「なでしこ」以来の過熱となることでしょう。なんという私の先見の明(笑)。
メダル獲得するであろう、その理由ですが、最近の世界選手権で6位、広州アジア大会で優勝という実績があるからです。あとは私の希望的観測(笑)。
ということで、ぜひぜひこのマイナーなオリンピックのセーリング競技をTVで放送していただきたいものです。録画でも構いませんので、ぜひお願いしまーす!みなさんもぜひセーリングにご注目を!そして、日本女子470級の近藤・田畑 組を応援してください。ではまた!
【写真はスピンネーカーを出して走る470級の艇 ~ 第40回全日本470級選手権大会より】
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